明日の見方

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ようやく終息に向い始めた欧州の債務危機


昨年の5月にギリシャの財政危機が表面化して以来、国際金融市場の最大の懸案事項であったユーロ圏の債務危機拡大は、ようやく終息に向かって動き出したようだ。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は、9日にベルリンで会談を行い、欧州銀行への資本増強とユーロ圏の経済政策の調和を高める事で、完全に一致したそうだ(10日、日経新聞)。

それにしても長い時間がかかったものだが、様々な意見をぶつけ合いながら粘り強く合意に漕ぎ付けるというやり方は、まさに欧州の真骨頂だ。

欧州がしっかりしないことには世界経済の安定化は覚束ない。特に欧州の銀行は、南米、アフリカ、中東、アジア向けなど新興国向けの貸し出し占有率が約6割と高い。欧州の銀行が混乱すると、それは直ちに途上国経済に伝播する訳だ。

ここまで来たからには一刻も早く、両首脳が合意した内容を実行に移し、ユーロの安定と欧州経済の復活を実現して欲しいと願う。