明日の見方

明日(未来)を知るために過去と現在を知ることが大切です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

2012年、日本の課題

今日は大晦日。今年は本当にいろいろな事があった。 東日本大震災や福島原発事故に留まらず、世界的に常識的な社会通念が覆される出来事が次々と起きた。 そして100年に一度とか1000年に一度とか、普段は滅多に使われることのない表現がメディアに溢れた。 2…

オリンパス、大王製紙問題と東京証券取引所

オリンパス、大王製紙の不祥事は投資家を代弁して言えば、直ちに鉄槌を下すべき、とんでもない事である。 株式会社とはそもそも株主がその所有者である。取締役は、株主の利益を代表し(忠実義務)、経営が適切に行われているか否か(善管注意義務)、つねに…

日本株下落が意味すること

最近、また日本株の下落が目立ってきた。言うまでもなく株価とは投資家が先行きをどう見ているかということで動く。 だから経済を写す鏡という言われ方もする。経済の先行きを考える上で最も重要な経済指標でもある。 確かに、先行き不安の種は山ほどある。E…

中小企業の海外進出と日本経済の分岐点

想定していた通りと言うべきか、対ドル相場で70円台という超円高が続く中、これまで国内に残ってなんとか頑張ろうとしていた中小企業までもが、本格的に海外進出に動きし始めている。 円高、高い法人税、震災後の電力制約、厳しい労働規制、CO2などの環境規…

日本はTPP交渉に参加すべし

鹿野農林大臣は、15日、栃木県の耕作放棄地等を視察した後、記者団に「農林漁業者が意欲を持って1次産業にいそしんでもらう事が大切だ」と述べ、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加に改めて慎重な姿勢を強調した。 また、同じ日、民主党の山田前農林大臣…

ようやく終息に向い始めた欧州の債務危機

昨年の5月にギリシャの財政危機が表面化して以来、国際金融市場の最大の懸案事項であったユーロ圏の債務危機拡大は、ようやく終息に向かって動き出したようだ。 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は、9日にベルリンで会談を行い、欧州銀行への…

中国の元の国際化が世界を変える

欧州のソブリン危機、米国の景気停滞、日本の長期デフレ、先進国経済はどこも閉塞状況が続いている。 そんな中、為替市場では消去法的に円が買われ、対ドルで見て70円台と言う水準にまで円が上昇している。 最近では1ドル50円台を予測するエコノミストまで…

ロンドン旅行で感じた事

9月初めに夏休みを取って家族でロンドンに旅行してきた。 景気の息切れ、ギリシャ問題に端を発するユーロの不安低化など、このところ欧州からいい話は聞こえてこない。英国もその意味で同様だ。英国にとって切り札的な産業である金融は、大手銀行が多額の不…

円高問題

円高が加速している。オバマ大統領と議会の債務上限を巡る対立、SPによる米国債の格下げを切っ掛けとする世界同時株安で、ヘッジファンドなどの投機資金が対外債権国である日本の通貨、円に資金を振り向けている事が背景である。 だが、日本経済は今年に入…

電力不足で「日本沈没」

日本の原子力発電所が来年5月にはすべて停止する可能性が極めて高くなってきた。 周知のように、今の日本において、原発の再稼働の決定権は原発施設を受け入れている自治体の首長にある。首長の政府に対する不信感はもはや修復不可能な状況になっている。例…

青島の海水浴場汚染

先日、中国の青島の海水浴場で大量の海藻が発生したとテレビで報じていた。 中国では都市化が急速に進み、都市部の人口が急増した結果、栄養分の豊富な生活排水が河川を通じて海に流れ込んでいるため、海藻が大量発生したと解説していた。 何を今更という感…

なでしこ優勝!

三連休の最終日、月曜の朝は4時起きしてサッカーの決勝戦をテレビ観戦した。 世界ナンバーワンのアメリカは本当に迫力のある素晴らしいチームだった。 身体は大きく、動きは速く、チームの組織力は高く、見始めてすぐにとても敵わない相手だと思った。 しか…

原発停止と最小不幸社会

日本の原子力発電所の稼働が来年夏には全て停止する可能性が高まってきた。 直接的な理由はストレス・テストである。原子力の安全性を政府としてしっかり行う事は至極当然である。 だが、問題はそのストレス・テストの先である。 たぶんこれを切っ掛けに、日…

防災に代わる新しい発想

「破壊は前触れもなくやってきた」。これは復興構想会議が25日に提出した提言書の最初の書き出しである。 日本の後世に遺る提言の書き出しにしては正直物足りない。たぶんこの後に続く文が必要なのだと思う。私なら「そして前触れのない破壊はこれからも繰…

気になる中国の動き

南シナ海の中国の軍事行動が気になる。 中国は以前からこの海域の南沙諸島の領有権を巡って、ベトナムやフィリピンなどと衝突を繰り返している。 よってお馴染のいざこざには違いないのだが、今回の中国の動きは要注意だ。 中国が欧米の弱体化を見透かしたか…

安全対策

最近、鉄道の人身事故がまた増えている感じがする。 大震災、福島原発それに経済の不振など、嫌な話が多いせいなのだろう。 思い詰めてしまう人の気持ちは何となくわかる気もする。 だが、一人の通勤者の立場から言うと、人身事故は迷惑千万である。 以前か…

原子力発電への取り組み

福島原子力発電所は依然として予断を許さない状況が続いている。 そうした中、原子力に代わって再生エネルギーをもっと活用すべきという声が強まっている。 もっともな意見だと思う。しかし、これまで培ってきた原子力の発電技術をさらに強化し、徹底的にそ…

原発の事故調査委員会に望む事

東電の福島第一原発の事故調査委員会が間もなく動き出すそうだ。 何故、こんなにも無残な事故が起きたのか、年内には委員会の専門家による中間報告が出る予定だ。 ただし、その調査の中身に注文がある。 何故、今回の原発事故が起きたのか過去の歴史に遡って…

国家公務員給与の引下げ報道に思う

例によって唐突に、民主党政府は国家公務員給与の1割カットの方針を決めたそうだ。 復興財源確保の一環という事だそうだ。だが何故このような大事な方針が大した議論をした様子もなく 突然飛び出してきたのか理解に苦しむ。 それを言い出すのなら、先ず国会…

大企業とサプライチェーン

今回の震災で改めて日本の中小企業が「ものづくり」日本を支えていた実態が明らかになったと思います。 大企業は一次、二次下請けぐらいまでは、それなりに管理していたようですが、それから先の三次、四次下請けといった典型的 な中小企業までは、これまで…

安全神話崩壊と今後の日本

第二次大戦の時の神風神話、福島原発で批判されている安全神話。我々、日本人は本当に神話に弱い。 そして、どちらも神話がウソであるという決定的な現実を見せつけられるまで、誰もまともに批判できない。 仮に批判したとしても社会がまともに取り合ってく…

原子力発電の経営

国有化の議論など、東電の今後の在り方に関して国会でも問題になっているようだ。 だが、原発のリスクを考えれば、この問題は東電の経営体制をどうしたらいいかという話ではない。 フランスにEDF(フランス電力公社)という電力会社がある。世界最強の電力会…

今、政府に期待すること

東日本大震災の発生から2週間が経過し、菅首相が「国民に向けてのメッセージ」を発表するというのでテレビを観た。残念な事だが、聞いてがっかりした。新しい事実は何もないし、被災した人や国民に対する癒しも励ましも感じられない。 政府は、仕事をしてい…

避けて通れない財源問題と政治の責任

東北大震災の発生からようやく1週間が経過した。津波被害の甚大さに改めて驚愕する。 また福島第一原発の状況も予断を許さない状況が続いている。まさに未曾有の国難である。 被災した人達は必死に頑張っている。命がけの救援活動が行われている。 我々は一…

大地震を天災に終わらせないように

会社のソファーで眠れない夜を過ごした。 でも被災地の人たちにとってはそんなちっぽけな事とは比較にならない不安な夜だったことだろう。 そしてそれは今も続いている。テレビの映像を通じて映し出される光景に言葉を失う。 マグニチュード9.0。観測史上最…

経済の主役はあくまで民間!

世界の金融政策が物価抑制に重点を移し始めた。 物価よりも景気を優先してきた先進国の金融政策は潮目が変わり始めた。 昨秋の米国のQE2以降、中国をはじめとする新興国は既に金融引き締めに動いている。 欧州では、財政危機にあえぐアイルランドやギリシア…

中東の嵐と日本の課題

チュニジア、エジプトに続き、リビヤ、ヨルダン、バーレーン。中東諸国の民衆蜂起がどんどん広がっている。 メディアの報道を見ていると、まるでベルリンの壁崩壊に象徴される80年代末から90年年代初頭の東欧の動きとダブる。 東西冷戦下で抑圧されていた東…

エジプトとミャンマーの民主化

ムバラク大統領が11日に辞任を決断し、1月25日から18日間に及んだエジプトの民主化の混乱は市民の熱狂の中で先ずは幕を閉じる見通しの様である。 報道によれば、30年間にも亘る一種の独裁政治、秘密警察による市民活動の厳しい監視、一人当りGDPが約6000ド…

新日鉄・住友金属の合併に思う

新日鉄と住友金属は12年10月の合併に向けて動き出した。公正取引委員会の審査がハードルだが、グローバル化に向けた我が国産業界の歴史的なイベントになることは間違いない。 21世紀に入って日本の鉄鋼業界はグローバル化の波に翻弄され続けた。 その第一波…

糾弾されるべきはメガバンクの営業姿勢

証券投資に失敗しても銀行がしりぬぐいしてくれる。そんなとんでもないルールが動き出した。先日の日経新聞の第一面で報じられた。内容は、銀行が販売した為替デリバティブを組み込んだ金融商品に投資し、その結果、経営が行き詰ってしまった中小企業からの…