今、政府に期待すること
東日本大震災の発生から2週間が経過し、菅首相が「国民に向けてのメッセージ」を発表するというのでテレビを観た。残念な事だが、聞いてがっかりした。新しい事実は何もないし、被災した人や国民に対する癒しも励ましも感じられない。
政府は、仕事をしているというPRばかりだ。
少し期待していたが、ないものねだりだった。
こういう大事の際は、政治主導で頑張って欲しいと期待する。
だが、最近は、菅首相だけでなく、こうした普通の気持ちを逆なでするような政治家の発言が目立つ。
買い占め問題に対して、担当大臣は消費者に落ち着いた行動をするように訴えた。そんな事をいくら言われてもスーパーに行って、現実に、コメや水や電池がない事を見ている我々からすれば、簡単に落ち着ける筈もない。スーパーから一部の物が無くなった責任を、一方的に消費者の責任にされたらそれこそお角違いも甚だしい。原料があっても計画停電で作れない製造元や、物があってもガソリン不足で運べない流通に対する対策も合わせて、政府としての取り組みを消費者に示すべきだ。
20~30キロの自主避難発言も酷いことだ。政府としては、20~30キロ圏内の放射能が特段増えている訳ではなく、ただ、物資が十分届かず、厳しい生活を強いられているだろうから、住民は自主避難した方が良いということらしい。
これも何という無責任な事か。放射能が問題でないなら、それこそ住民に対して必要な物資を届けるのが政府の仕事である筈だ。政治がやるべき事を行わず、住民に責任を転嫁しているだけだ。こんないい加減な事を云うから、却って、もしかして放射能が本当は問題なのではないかと勘繰りたくなる。
国民はみんな必死で頑張っているのだ。そんな時、責任逃れめいた発言、政策の裏付けのない空っぽな言葉、杓子定規な常套句なんかは聞きたくない。今はまさに国難である。政府にはしっかりとした政策を決断し、それを分かりやすく丁寧な言葉で伝え、迅速に実行して欲しいと切に願う。