明日の見方

明日(未来)を知るために過去と現在を知ることが大切です。

原子力発電への取り組み

福島原子力発電所は依然として予断を許さない状況が続いている。
そうした中、原子力に代わって再生エネルギーをもっと活用すべきという声が強まっている。
もっともな意見だと思う。しかし、これまで培ってきた原子力の発電技術をさらに強化し、徹底的にそれを活かすという視点も忘れてはならないと思う。

福島原発の補償は数兆円になるという指摘もある。この巨額の補償をだれが負担するのかを巡って議論が錯綜している。菅政権は、一応、一義的には東電、そして原子力政策を推進してきた国にも責任があるという見解だ。先週は枝野官房長官の東電に融資している銀行にも負担を求めるコメントが物議を呼んでいる。

だが、直接、誰が負担しても、最終的には、電力料金、税金、預金利息などといった形ですべて国民が負担することになる。さらに再生エネルギーを導入すると言ってもタダではない。新しい送電線、太陽光パネル風力発電設備の設置など、我々国民にとって追加的な負担は避けて通れない。

原子力の安全技術にもっと磨きをかけて、世界の原子力発電ビジネスを日本がリードして、それで補償の原資を賄うということは、愚かな提案だろうか?
そもそも原子力発電は、まだ未知の部分が大きく、人類にとって夢と英知のエネルギーである。
しかも日本はこの分野で世界のトップグループに位置している。今回大きく躓いたからと言って、安易に手放す必要はない。世界は安全で優れた原子力技術を今も欲している。

福島の教訓を人類・世界の発展に役立てるためにも、菅首相には、今月26日からフランスのドービルで開催されるG8で、再生エネルーギーへの取り組みだけでなく、
原子力発電を役立てるあらたな取り組みを世界に提案できないものだろうか?